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音楽の父:Johan Sebastian Bachの最晩年の最高傑作であり、彼の音楽芸術の集大成であり、かつ全人類の歴史上最高傑作作品の音楽文化遺産であるロ短調ミサ曲をこよなく愛する僕は、遂最近漸く、ショルティ盤を入手した。


こうしてタワーレコードさんがかなりの廉価で、復刻版を発売して下さっていたのだ。
CD2枚組で1500円。


これがまた聴いてみれば、現代楽器の機能や特性、能力をフルに発揮した、誠に素晴らしい期待以上の超名演奏であった。

そして何と、僕は他サイト様の情報で知ったのだが、本ディスクはアメリカ合衆国の輝かしいグラミー賞(合唱作品部門)を受賞しているのだ。



Grammy Award for Best Choral Performance of 1993



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これがサー・ゲオルグ・ショルティ閣下の晩年の77歳の時の録音なのだ。
彼は晩年になって初めてバッハの宗教声楽曲の大作作品を取り上げて、録音した。
晩年になりショルティ閣下は、この様な境地に到達したのだろう。



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また例によって、前回のマタイ受難曲・ショルティ盤のディスク(タワーレコード復刻版)に引き続き、付属の解説書内にて磯山雅先生が本ディスクをも大絶賛している。




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はっきり申し上げて、サー・ゲオルグ・ショルティ閣下が再現・演奏する音楽の父の宗教声楽曲の大作作品は、帝王ヘルベルト・フォン・カラヤンを遥かに凌駕すると僕は思う。




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と言うか、帝王カラヤンは圧倒的に偉大な歌劇・オペラ指揮者であって、宗教声楽曲作品の優れた再現・演奏者では、どうやらないようだ。



合唱指揮者のマーガレット・ヒリス女史に統率された、強力で正確無比のシカゴ交響合唱団の合唱に裏打ちされて、これまた名手揃いのヴィルトゥオーゾ集団である、世界3大オーケストラにも数えられるシカゴ交響楽団の演奏は、これまた正確無比かつ強力極まり無く、全く安定しており、艶やかな音で実に美しく剛毅だ。




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本ディスクを繰り返し鑑賞しながら、僕は独り密かに妄想的に想像する事が有る。

生前の作編曲者御本人で在らせられる大バッハ先生が、本ディスクの演奏に接したら、彼は「何じゃ!この的外れな演奏は!?現代(モダン)楽器などと言うふざけた楽器を勝手に使用して、ワシの楽曲を貶す様な演奏をしよってからにぃ~!!こぉの、馬鹿垂れがッ!!」、などと激高激怒したり為さっただろうか?

これは今回のショルティ盤:ロ短調ミサ曲に限らず、ショルティ盤:マタイ受難曲に対してもだ。


いや、僕が想像するにはだが、偉大なる音楽の父である大バッハ先生はきっと恐らく、ショルティ盤のマタイ受難曲やロ短調ミサ曲に対して、手を顎に添えつつ、静かに深く大きくうなずきながら、大絶賛して下さる事と確信する。

それはまた、ヘレヴェッヘ盤や鈴木雅明さん盤のマタイ受難曲・ロ短調ミサ曲に対してもまた同様であろう。



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前回のマタイ受難曲・ショルティ盤にせよ、タワーレコードさんの社内には、物凄く鋭敏で非常に豊かな音楽感性の聴覚を持つ突出して素晴らしい社員さんがいる事が伺える。

その方達がこうして眼を付けて、わざわざ自社ブランドにて復刻版を発売してらっしゃるのだろう。


ショルティ盤のロ短調ミサ曲とマタイ受難曲は、現代(モダン)楽器による再現・演奏の内で、至高で最高の出来栄えを誇る、誠に素晴らしい不滅のディスクである事は断言出来る。





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そしてこれは、正に鈴木雅明様のTwitterアカウントからの転載だ。

ハーバード音楽貴重本図書室にて。あのショルティ先生が使われたロ短調ミサ曲スコア。赤鉛筆を使うところは、マーラーとそっくり。しかし、それもベートーヴェンに影響されたのかもしれない。」


ショルティ閣下のロ短調ミサ曲の再現・演奏が、遠大で深遠な全体設計の内に為された事が、この写真を見てから再度鑑賞すると、益々良く分かる。




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今思えば、僕のロ短調ミサ曲の記念すべき初体験は、このレオンハルト盤だった。

このレオンハルト盤は、僕は今でも非常に愛聴しており、そして僕の義父の葬式にてはこれをBGMとした。




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そしてあのバッハ芸術の求道者であるカール・リヒターの超名盤であり決定盤を、僕は次に入手した。

そしてその聴く者全てを圧倒して偉大にそそり立ちそびえ立つ、魂の奥底から噴き出るかの様な演奏に接して、僕は自宅ステレオのスピーカーの前で、心底畏怖し震え慄いた。




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そして上記の再発売盤のレオンハルト盤をAD1997に購入した正にその同時に新発売された、こちらヘンゲルブロック盤を入手し、全く淀みや綻びや乱れが無い、古楽器演奏における決定盤との呼び声も高い演奏に接して、僕の心や精神・魂もまた同様に、力強く透き通らされて、晴れ渡らされた。




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そして今回、僕のロ短調ミサ曲に深く分け入る長大な音楽鑑賞の旅は、自分でも全く思っても見なかった全く新しい停車駅に一旦停まり、またしても更に新たなる深い深い感動に誘われる事となったのだ。




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そして僕の心の音楽旅行の、今回の停車駅であるショルティ盤を発車した後に立ち寄る次なる停車駅は、もう既に決まっているのだ。

上記写真の、ロ短調ミサ曲・鈴木雅明さん盤(レコード・アカデミー賞・銀賞を受賞)と、フィリップ・ヘレヴェッヘ盤(2回目録音)だ。

因みに鈴木盤とヘレヴェッヘ盤(2回目録音)のマタイ受難曲も、同様にだ。




以上の僕のロ短調ミサ曲未聴の2点のディスクは、今は未だ敢えて購入はせずに、僕の人生の楽しみにとって置くのである。



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最後に、本ディスクに対するインターネット上での紹介に付いて、細かい事にはなるが僕から付記しておきたい事が有る。


本ディスクは<ライブ録音>であるとする表記と、そうではなくて普通のセッション録音であるとする表記と2種類に別れてしまっている様だ。

僕がタワーレコード・オンラインにて購入したこちらのタワーレコード復刻版のロ短調ミサ曲・ショルティ盤にては、明確に<ライブ録音>の表記はケース裏にも付属の解説書内の何処にも全く存在せず、従ってセッション録音なのだ。

他のタワーレコード復刻版の商品の解説を見ても、ライブ録音である場合は必ず<ライブ録音>の表記が有るのだ。


そこで僕は念の為にインターネット上で検索したら、HMVオンラインさんやサー・ゲオルグ・ショルティ閣下のDECCAレーベル完全収録ボックスセット(膨大な量だ!)の各ディスク品目解説にては、<ライブ録音>となっているのだ。


だが本ディスクに対するAmazon等でのレビュー欄を見ると、「セッション録音である」とするリスナーのコメントを発見出来る。




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因みにだが、こちらはあの、やはりカリスマ大指揮者であるセルジュ・チェリビダッケさんのバッハ:ロ短調ミサ曲のディスク。

皆さんもう既に御存知の通り、彼はそもそも録音と言う行為そのものを全く無意味であるとして徹底的に否定して拒否し、ライブ録音しか全く受け容れなかった。

偶然にもこのチェリビダッケ盤・ロ短調ミサ曲の録音年は、ショルティ盤と同年のAD1990だ。


こちらのチェリビダッケ盤も既にYouTubeにて公開されているが、再生して聴いてみればやはり聴衆・観客の咳払いや雑音が明瞭に聞き取れる。

しかしAD2021の現在では、録音技術は大変に進歩して、ライブ録音でも客席の雑音等は消去出来るらしい。





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話を戻して、だがこちらのショルティ盤はチェリビダッケ盤と同年の録音だが、客席の雑音らしき音等は、スピーカーの前で注意深く聴いても、僕の耳には全く聞き取る事は出来なかった。

従って僕も、本ディスクのバッハ:ロ短調ミサ曲・ショルティ盤は、ライブ録音ではなくてセッション録音であると考え結論付けるのだ。


僕はそもそも、要らぬ不必要な雑音が入ってしまうライブ録音のCDは余り好きではなく、だからその点が本ディスクの購入検討当初から、個人的には結構気になってしまっていたのである。



最後に細かい点を指摘してしまい、どうもすみませんでした。