兼六園に訪れるのは僕はこれで3度目だが、オフクロは初めてと言う事で随分と感動しながら園内を散策していた。
兼六園は、言わずと知れた金沢市を代表する名勝地。
今回の金沢市と加賀温泉郷への旅は、兼ねてから親父が熱望していたものだった。
俺は手に入れたばかりの新愛車のエスティマ ハイブリッドに妻と両親の4人を乗せて、北陸自動車道を疾走した。
親父達は近江町市場(おうみちょういちば)を訪れる事を熱望し、ずわい蟹やら毛蟹やらを友人にへと買い込んでいた。
妻は、自分の両親にノドグロや他の魚介類を発送。
近江町市場内の回転寿司屋さんの「大倉」に入ったが、どのネタも素晴らしい絶品の味。
親父とオフクロはその味と新鮮さに驚嘆していた。
この味は温暖な太平洋側では絶対に味わえないものだ。
ここはいつも活気が有って良いものだ。
兼六園も東茶屋街も、僕はもう特段の感情や思い入れはないのだが、オフクロにとっては金沢らしい素晴らしい場所の様であった。
1泊目は、加賀温泉郷の4湯の中の一つである山代温泉(やましろおんせん)は「みどりの宿 萬松閣(ばんしょうかく)」に宿泊。
山の緑の中に、こうして素晴らしい源泉掛け流しの大きな露天風呂が有る。
本当に素晴らしかった。
部屋の客室付きの露天風呂も、僕らの部屋は浴槽がホウロウタイプだったが、お湯は源泉掛け流しで文句無しに良い湯であった。
もう、俺は温泉ホテルの豪華会席料理には飽きて来た。正直。
湯豆腐とか納豆とか、カレーライスだとか普通の家庭料理で十分だが、親父が息子夫婦の僕達に気を使ってこうしたフルコースの料理を設定させる。
やはり、カニやら能登牛やらが沢山、まるで洪水の様に出まくってた。
それを一生懸命になって喰い散らかしたものだ。
2泊目は同じく加賀温泉郷の1つ、片山津温泉は「季がさね(ときがさね)」に宿泊。
驚いた事に、同じ加賀温泉郷の温泉なのに泉質は先の山代温泉とは全く違っていて塩分が多量に含まれていた。
良い湯だった。
この温泉ホテル「季がさね」の丁度真裏に、この浮御堂(うきみどう)が、こうして湖の上に存在する。
ホテルの部屋の窓からも向こうに認められ、僕等夫婦は浴衣のまま、ブルブル寒がって歩いてこの浮御堂に参拝した。
夜はライトアップされており、小さな祠でも、どこかとても強い印象を放っている様に見えた。
僕は、大切な家族や友人の一人一人が、幸福で幸せな人生を送れます様に、また今苦しんでいる友人の苦しみや悩みが一刻も早く解決されます様に、静かに祈って神様の御取次ぎを祈願した。
こうして、僕らの旅は無事に終了した。
ただ、恵みに感謝し、神様に感謝するのみであった。
こうして旅行をして、普段自分が慣れ親しんだ土地とは違う場所に行く事は、とても気分転換になるものだな。