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今日は遺体安置所での作業従事を命ぜられた。


だだっ広い場所に並ぶ御遺体、お棺の数々・・・。
絶え間無く漂うお線香の匂い。
歩いている僧侶。
花束を抱えて喪服姿の御遺族達。

広い空間に、僧侶の読経の声が透徹して響き渡り、線香の煙が漂う。
唱えられているのは、「仏説 摩訶般若波羅密多心経」か。
俺は受洗したキリスト教徒でありながらも、やはりお線香の匂いとお経は、日本国の原風景であると身体と心で感じる。


忙しそうに業務に従事する警察の方々。
遺体検視に従事する法医学の医師や歯科医師の方々。


震災後2ヶ月が経ても、尚毎日リアルタイムに御遺体は上げられて運ばれて来る。


今回は特殊な事情故に詳しく書く事は憚られるが、僕の人生体験で最もインパクトが有った事例になるだろう。

終了後、いつもの夕の全体ミーティングにて、最高責任者の方から、何と僕が全員の前で名指しで労を労われ、温かく励まされ、そして深く感謝された。
ミーティング終了後には、全く見知らぬ方から声を掛けられ、労を労われた。

実質、ただの助手だが、周囲の俺に対する眼差しには、自分で言うのもなんだが明らかに尊厳がこもっていた。


明日も遺体安置所だ。


今俺は、人生の新たなるモチベーションを神様から与えられて、気高いやる気に満ちている。