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今日の午前は単独任務の自由行動。
予定通り、2つの避難所を訪問した。
1件目は、ある物資を入用だった30代主婦に、その物資を後日届ける約束をしていたので、届けに上がった。
そしたら、本人不在(苦笑)
取り合えず物資は受付の職員さんに伝言と共に置いて行った。
2件目は、子供の女の子つるちゃんに用が有ったのだ。
俺の仕事上の調査ファイルに、少し気になる記述が前任者チームからの申し送り事項の中に存在したのだ。
ところが残念な事につるちゃんも不在。
午後からは遠路遥々長崎県から到着したチームと合流。
羽田空港まで飛行機で、そして東京から福島へは東北新幹線で。そこから現地へはレンタカーでいらしたそうな。
相変わらず、その人達も穏やかで素晴らしい人柄の方達ばかりだ。
午後は、いつもお世話になっているここの避難所を巡回したのだが、もう俺は顔見知りも大分増えて来て、午後、ボォ~っと突っ立っていたら、小学校2年生のこれまた本当に可愛らしいお洒落な女の子のMちゃんに、小さいドーナツを頂いた。
「ねぇ、これ食べてよぉ!」
可愛いものだな。
俺はそのままMちゃんとそのお友達と談笑。
Mちゃんは宿題の書き取りをやりながら、俺に色々訊いて来た。
「ねぇ、この3人の女の子で誰が一番好き!?ねぇ、今好きな人って居るのぉ!?」
「奥さんがおじさんは世界で一番なんだ。」
「あれぇ?だってお兄さん指輪してないじゃぁん!!」
「お兄さん、めちゃくちゃ力が有りそう!だってすんげぇ体格良いモン。」
「そんな事は無いだろう。」
「私たちさぁ、お金一円も無いもん。津波で全部流されちゃって。」
「それなら、オジサンが少しだけど、皆にお小遣いを上げよう。」
たったそれだけで、「んもぉ、信じられない!」と言った表情で言葉に詰まるMちゃん。
「俺は約束は守るよ。でも今細かいのが無いんだ。またお小遣いを渡しに来るね。」
Mちゃんは信じられないと言った顔付きで、俺にお別れの挨拶をしてくれた。
「ドーナッツ美味しかったよ。どうも有難うね!」
そうした些細な交流1つ1つがヒシヒシと嬉しく感じる。
いつもの夕のミーティングの後、突然急に、所長に俺が個別に呼び出された。
そして応接室に通されて、一体何の事やらと一瞬身構えたが、それは所長からの改めての労の労いと心配の温かいお声掛けであった。
聴けば所長さんも被災者で避難者だったそうだ。
そして、お身内を今回の震災で亡くされて、実際に遺体安置所に遺族として行ったそうだ。
その時以来の苦心や苦労を、俺相手にしんみりと語ってくれた。
その上で、俺が遺体安置所の任務に従事していた事に対して、心からの謝意を示して下さった。
1000年に1度の大地震。
俺は、神様に導かれて、ここ被災地にやって来たのか??
最初は、職場のボスからの単なる業務命令位にしか考えていなかった。
だが、毎日が濃密で濃厚で、不謹慎だが、今ほど幸せや幸福を感じる時間はこれまでの人生を振り返って見てもそうそう無かったと思う。
所長は、ただの俺独り如きの為にお気遣いを示して下さり、俺の身をとても心配して下さる。
「郷里に奥様がおいででしょう!?大丈夫なんですかぁ!?奥様の為に帰って差し上げた方が良いのではないですか?どうぞ無理は為さらずに、引き上げて頂いてお帰り頂いても良いんですよ。Iさんは本当に色々良く尽くして下さっていますから。」
「いいえ、僕は当初のお約束通り、最終日の5月29日(日)までは、ここに留まります。」
「そうですか・・・。分かりました。」
明日は取り合えずお休みだ。
いつもは妻に任せ切りだった身の周りの事を、全部独りでこなさなければならない。
溜まりに溜まった1週間分の洗濯を、避難所の洗濯機をお借りして洗濯を済ませてしまおうか。
今日の午前は単独任務の自由行動。
予定通り、2つの避難所を訪問した。
1件目は、ある物資を入用だった30代主婦に、その物資を後日届ける約束をしていたので、届けに上がった。
そしたら、本人不在(苦笑)
取り合えず物資は受付の職員さんに伝言と共に置いて行った。
2件目は、子供の女の子つるちゃんに用が有ったのだ。
俺の仕事上の調査ファイルに、少し気になる記述が前任者チームからの申し送り事項の中に存在したのだ。
ところが残念な事につるちゃんも不在。
午後からは遠路遥々長崎県から到着したチームと合流。
羽田空港まで飛行機で、そして東京から福島へは東北新幹線で。そこから現地へはレンタカーでいらしたそうな。
相変わらず、その人達も穏やかで素晴らしい人柄の方達ばかりだ。
午後は、いつもお世話になっているここの避難所を巡回したのだが、もう俺は顔見知りも大分増えて来て、午後、ボォ~っと突っ立っていたら、小学校2年生のこれまた本当に可愛らしいお洒落な女の子のMちゃんに、小さいドーナツを頂いた。
「ねぇ、これ食べてよぉ!」
可愛いものだな。
俺はそのままMちゃんとそのお友達と談笑。
Mちゃんは宿題の書き取りをやりながら、俺に色々訊いて来た。
「ねぇ、この3人の女の子で誰が一番好き!?ねぇ、今好きな人って居るのぉ!?」
「奥さんがおじさんは世界で一番なんだ。」
「あれぇ?だってお兄さん指輪してないじゃぁん!!」
「お兄さん、めちゃくちゃ力が有りそう!だってすんげぇ体格良いモン。」
「そんな事は無いだろう。」
「私たちさぁ、お金一円も無いもん。津波で全部流されちゃって。」
「それなら、オジサンが少しだけど、皆にお小遣いを上げよう。」
たったそれだけで、「んもぉ、信じられない!」と言った表情で言葉に詰まるMちゃん。
「俺は約束は守るよ。でも今細かいのが無いんだ。またお小遣いを渡しに来るね。」
Mちゃんは信じられないと言った顔付きで、俺にお別れの挨拶をしてくれた。
「ドーナッツ美味しかったよ。どうも有難うね!」
そうした些細な交流1つ1つがヒシヒシと嬉しく感じる。
いつもの夕のミーティングの後、突然急に、所長に俺が個別に呼び出された。
そして応接室に通されて、一体何の事やらと一瞬身構えたが、それは所長からの改めての労の労いと心配の温かいお声掛けであった。
聴けば所長さんも被災者で避難者だったそうだ。
そして、お身内を今回の震災で亡くされて、実際に遺体安置所に遺族として行ったそうだ。
その時以来の苦心や苦労を、俺相手にしんみりと語ってくれた。
その上で、俺が遺体安置所の任務に従事していた事に対して、心からの謝意を示して下さった。
1000年に1度の大地震。
俺は、神様に導かれて、ここ被災地にやって来たのか??
最初は、職場のボスからの単なる業務命令位にしか考えていなかった。
だが、毎日が濃密で濃厚で、不謹慎だが、今ほど幸せや幸福を感じる時間はこれまでの人生を振り返って見てもそうそう無かったと思う。
所長は、ただの俺独り如きの為にお気遣いを示して下さり、俺の身をとても心配して下さる。
「郷里に奥様がおいででしょう!?大丈夫なんですかぁ!?奥様の為に帰って差し上げた方が良いのではないですか?どうぞ無理は為さらずに、引き上げて頂いてお帰り頂いても良いんですよ。Iさんは本当に色々良く尽くして下さっていますから。」
「いいえ、僕は当初のお約束通り、最終日の5月29日(日)までは、ここに留まります。」
「そうですか・・・。分かりました。」
明日は取り合えずお休みだ。
いつもは妻に任せ切りだった身の周りの事を、全部独りでこなさなければならない。
溜まりに溜まった1週間分の洗濯を、避難所の洗濯機をお借りして洗濯を済ませてしまおうか。
コメント
コメント一覧 (1)
小さい子供が、大きくなった時に今回被災したことによる様々な経験が活かせる様、今は大人が精一杯守ってやらねばいけないような気がします。
先の見えない避難所生活に閉塞感や絶望感を抱かれていらっしゃる方も多いのではと思います。
なんとか、早く笑顔を満たされ、希望の光が差してほしいものですね。