
【Disc30】
アルヴォ・ペルト: 『スターバト・マーテル』『交響曲第3番』『カンティク・デ・ドゥグレ』
~クリスチャン・ヤルヴィ(指揮)、ベルリン放送交響楽団、RIAS室内合唱団
僕の音楽の旅も、いよいよ最終盤に到達した。

最初にこの30枚のboxセットのCD群を聴き始めてから、一体どの位の期間が経過したのだろうか?
と言っても、未だわずか1年間以内ではある。

こちらのクラシック音楽・現代音楽・宗教音楽の作曲家で居らっしゃるアルヴォ・ペルト先生は現在も御存命(そう言えばつい先程、拉致被害者の横田めぐみさんの御父上様の横田滋さんが、87歳で亡くなられた)で、現在84歳だそうだ。

世界中で数々の受賞に輝いて居らっしゃる。
Wikipediaに拠れば、「数々の賞を受賞して居り、日本においては2014年に高松宮殿下記念世界文化賞受賞の為に来日した。」との事だ。

ジャケット写真では既に、作曲者御自身であるペルト先生が、若きオーケストラ指揮者のヤルヴィと何か議論して居る。

僕はこのアルヴォ・ペルトさんと言う作曲家は初めて存じ上げたのだが、本CDに収録されて居る「スターバト・マーテル(悲しみの聖母)」を聴いて、おっ魂消た。

これは一体何と神々しく美しい、絶美の宗教音楽だろうか!??

美しい現代音楽作品と言えば、グレツキ(ゴロツキではなくて)作曲:「悲歌のシンフォニー」が代表格だろう。
ナチスドイツの強制収容所の中で、壁面に囚人の少女が書き付けた詩に、グレツキさんがこの上無く荘重な楽曲を付与し魂を吹き込んだ、不朽で絶美の現代音楽作品だ。

だがこのアルヴォ・ペルトさんが作曲した「スターバト・マーテル」の美しさと言ったら、どうだろう。

この現代に存命の作曲家でも、本当に本物の天才作曲家は、実在するのだな。
そんな事を僕はこのアルバムで、思い知らされた。

さぁ、もうこれで僕のCD30枚にも及ぶ、主には宗教声楽曲作品の鑑賞の旅は、終わりを告げた。
この入手したboxセットの中身はどれも素晴らしい大傑作の圧倒的な名演ばかりが揃って居て、従って僕はそれ等を繰り返し好んで聴き込んで居る毎日だ。
このboxセットのCD30枚は、僕が買った当時の去年は送料・税込みで、6400円。
たったの6400円で、これを買って全部を聴き通した方の人生は、絶対に間違い無く豊饒なものとなる事は、この僕が請け合う。

僕の人生は相変わらず不安定で、艱難辛苦が絶えない日々だ。

だがそれは、僕だけに全く限らずに、誰にとっても人生とは途轍も無く辛く厳しく、また時には甘美で幸福な時期も確かに有る。

そんな涙を流す事が絶えない人生の日々でも、このCD30枚にも及ぶboxセット1つさえ有れば、これ等のCDに収録された音楽を聴く者達は、神様や天使達から至上の慰めと癒し、そして恵みと祝福を溢れるばかりに、両手に抱えきれぬ程大量多量に賜る事は、絶対に確実だ。
道案内人の僕の役割は、ここで終わった。
さぁ次は、貴方の番だ。