【CD13】《18世紀ドイツのフルート協奏曲》
1) カール・シュターミッツ:フルート協奏曲ト長調Op.29,
2) フランツ・クサヴァー・リヒター:フルート協奏曲ホ短調,
3) ヨハン・シュターミッツ:フルート協奏曲ト長調,
4) ホフマン(ハイドン):フルート協奏曲ニ長調,
5) グルック:精霊の踊り
バルトルド・クイケン(フラウト・トラヴェルソ:1-4),クレール・ジモン(フラウト・トラヴェルソ:5), ターフェルムジーク・バロック・オーケストラ[録音]1991年
アルバムタイトルからすると、僕が直ぐに連想するのはやはり、当時のドイツのプロイセン王:フリードリヒ2世(大王)陛下だ。
事実彼はこうして音楽やフルートを非常にとても愛好し、音楽の父:J.S.Bachは彼に対して、「音楽の捧げもの」を作編曲し献呈している。
いっやぁ~、先ずはフラウト・トラヴェルソの名手であり、かのクイケン3兄弟の一人、バルトルド・クイケンの演奏は、やはりここでも圧巻だ。
前回のアルバムは古典のイタリア音楽であり、今回は古典のドイツ音楽か。
うん、良いねぇ!
僕から見たら、最後の小作品の「グルック:精霊の踊り」が、これまた僕の好みのゆっくりスローテンポで優雅な旋律を、古楽器が鄙びた響きで奏でて、これまた滅茶サーヴィスなボーナストラックな感じでとても宜しい。
これはグルック作曲の歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」の中の1曲なのだが、これが独立されて演奏される機会は多いので、メロディは誰でも一度は耳にした事は有るだろう。
こちらのアルバムにも「グルック:精霊の踊り」は収録されていて、こちらは言わずもがなの帝王カラヤンがいつもながらに超滅茶耽美的にピカピカに磨き上げた、滴る様に美しい演奏だ。
帝王カラヤンは、こうした小作品も絶対に全く手を抜く事無く、全身全霊で指揮して、手兵のベルリンフィルの奏者達は全員、大真面目に彼の厳しい指揮に全力で応えている。
現代オーケストラの最高峰であるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の現代楽器は、本当に最高に美麗で止め処無くうっとりさせられて深く幻惑させられてしまうのだが、今回紹介の古楽器演奏と対比的にも聴けて、僕はまたしても、とても面白い音楽体験を得られる事となった。
妻は今回紹介の古楽器演奏の「精霊の踊り」に接して、「眠るのには丁度良い曲だよね(^^)」と。
但し本アルバムにおいて、同曲「グルック:精霊の踊り」のみは、フラウト・トラヴェルソの奏者はバルトルド・クイケンではない事は、僕から少し注意しておく。