【CD22-23】《ハイドン:パリ交響曲集》 ハイドン:
1) 交響曲第82番ハ長調「熊」,
2) 交響曲第83番ト短調「めんどり」,
3) 交響曲第84番変ホ長調,
4) 交響曲第85番変ロ長調「王妃」,
5) 交響曲第86番ニ長調,
6) 交響曲第87番イ長調
ブルーノ・ヴァイル(指揮)ターフェルムジーク・バロック・オーケストラ[録音]1994年
僕は今回、前回のハイドン・ミサ曲集と共に、ヨーゼフ・フランツ・ハイドンと言う作曲家の作品を、初めて鑑賞した。
勿論この上記写真の彼の肖像画は、既に小中学校の音楽室で御馴染みであったし、古典主義の時代の音楽の代表的作曲家として、かの神童モーツァルトと並び称される偉大な作曲家である事は、学校の世界史のお勉強の知識としては知ってはいた。
だがこうして実際に彼の作品群を鑑賞してみるとだ。
素晴らしい古典主義音楽であると断言するより他に無い。
同じ同時代の古典主義作曲家である神童モーツァルト程の精緻さや複雑さは無いものの、形式美を追求した古典主義時代の音楽としては、実に品格と上品さや気品に満ち溢れた、素晴らしい音楽だと認めざるを得ない。
神童モーツァルトの事を手放しで称賛する一方で、楽聖ベートーベンの事は田舎者だと見下して馬鹿にしていたとされるハイドン先生。
ベートーベン程の魂を熱く震撼させる爆発力や推進力は、彼の楽曲からは感じないが、ミサ曲にしろ交響曲にしろ、悲劇性や切迫感や激性は無い一方で、美しさや綺麗さは楽曲の全編に湛えられている。
僕が実際に鑑賞したのは、彼の作品の極一部に過ぎないが、ハイドンが何故古典主義音楽の偉大なる代表格として極東アジアの最果ての国である日本国の公立小中学校の音楽室の後ろ壁面に肖像画が常に掲げられているのか、その理由や根拠の一端を、僕は今回45歳にして人生で初めてやっと漸く分かり始めた、気がした。
彼の作品を鑑賞していると、実際のハイドンと言う人の親切で育ちの良いお人柄や人格が、作品にも色濃く反映されている様に僕には思える。
職場に流すBGMとしても請け合いではないか?
そんな素晴らしい上品で気品有る素晴らしい音楽の、これまた素晴らしい演奏が、何度も言うがCD1枚70円以下とは、最早お試し価格以下の極激安価格なのである。
ハイドンと言う作曲ははひょっとして、21世紀の現代でもまだまだ過小評価され続けてしまっているクラシック音楽の作曲家であるかも知れない。