
写真は、僕にとっては本当に懐かしい森川富昭先生。

僕が大学生時代に大変お世話になって、本当に彼は良い人で、だから僕は今でも森川先生が大好きだ。
彼の「医療情報学」の講義も当然受講したし、講義内容も面白かったが、彼の人柄所以の学生からの人気の高さは、当時学内では結構有名であった。
また御覧の様に森川先生はかなりのイケメン先生であったが故に、当然ながら女子学生からの人気も事実高かった。

その後、彼はこの様に大きく出世。徳島大学病院全体の情報センターの最高責任者にまで出世為さり、僕と親しくして頂いた頃は助手だったのが、後に病院教授にまで大きく出世為さっておられた。

その彼が、つい先程のNHKニュース7にて、報道されていたので大変に驚いた。
内容は以下だ。
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大阪地検特捜部は、業者に便宜を図った見返りに現金を受け取ったとして徳島大学病院の元部長で現在、慶応義塾大学准教授の男を逮捕した。
収賄の疑いで逮捕されたのは、慶応義塾大学政策・メディア研究科の准教授・森川富昭容疑者(45)。森川容疑者は、2012年まで徳島大学病院の病院情報センター部長だったが、情報システム関連の随意契約などで兵庫県のシステム開発会社「ダンテック」の元社長・高橋徹容疑者(収賄容疑で逮捕)に便宜を図った見返りに、現金54万円を賄賂として受け取った疑いがもたれている。
ダンテックを巡っては、大阪の国立循環器病研究センターでも元部長がダンテック側に入札情報を漏らしたなどとして逮捕・起訴されていて、この捜査の過程で、贈収賄の疑いが浮上したという。大阪地検特捜部は、森川容疑者らの認否について明らかにしていない。

彼は徳島大学病院の情報センター部長から、また更に出世為さり、現在は慶應義塾大学の准教授にまで成ってらした。
今回の報道は、僕としてもとても衝撃で残念だ。

森川富昭先生は、学生の僕等には本当に素晴らしい人柄の、良き兄貴的存在だった。

(この写真は、彼のfacebookより)
丁度、今から15年も前の話だ。
ある日、学生実習中に森川先生と会話していたら、全く偶然にも翌日から開催される医療情報学会が、僕の郷里の静岡県浜松市にて開催されるとの事。
静岡県浜松市は僕の郷里だと言うと、彼は快く僕をお車に同乗させて下さり、僕を好意で帰省させて下さったのだ。
しかもその往復の道中の全部の飲食は、彼のポケットマネーで美味しい食べ物のお店ばかりに連れて行って下さり、気前良く全額奢って下さった。
それでは余りに悪いので、僕は彼が学会で浜松市滞在中に、浜名湖鰻のお店に招待申し上げ、御一緒に美味しい夕食を楽しんだ。
実はこの時、こんな経緯も有った。
当時、徳島大学歯学部附属病院は、全国の国立大学病院に先駆けて、ISOの国際規格の許認可を得ようと活動中で、森川先生はそのプロジェクトの中枢に居られた。
そして、僕の実家の親父が経営する会社が、既にそのISOの認証を取得していた事を彼に伝えると、それを早く言ってくれと僕に仰り、急遽学会の合間に、親父の会社を訪問・見学する事に相成った。
社長室で、森川富昭先生と当時社長の親父とISOの担当者が、和やかに会談した。
その会談の席に、僕も同席していたのだ。
その浜松市での学会を無事に終えた彼は、また僕をお車でピックアップして下さり、徳島市まで高速を飛ばして下さったのだが、途中京都に寄って行こうと、磯辺焼きやら焼肉やらを、沢山気前良く奢って下さった。

徳島大学に帰ってからも、学内で気さくに僕にお声をお掛け下さり、「お父さんは元気なん?」、といつも優しく話し掛けて下さった森川先生。

テレビの報道で拝見した優しい眼差しのお顔は、当時といささかもお変わり無い。
森川先生、ちょっと肥えたかな。

人間と言うものは、ある人にたった一度でも悪いレッテルが貼られると、その人からは途端に手の平を返してそっぽを向いて、ほぼ皆全員が離れ去って行く。
これは、僕自身も経験している事だ。

彼がしてしまった事は、確かに悪い事だろう。
でも、人間の本当の価値って、ただ1度の過ち誤りだけで、決定されてしまうものではないと僕は思うのだ。
本当に残念ながら、これから森川先生にはかなりの批判と非難とバッシングは避けられまい。
だが、僕はこうして、彼の温かい教官としての教育を公私共に受けた者として、この事件と逮捕を機に彼から離れ去るとかそっぽを向く事は全くするつもりは毛頭無い。
誠に残念ながら、彼にはこれから厳しい社会的制裁や処分が課されるのだろうが、彼のIT技術者や大学教官としての類希な実力と能力は、間違い無く日本屈指だ。
この日本国と言う国は、人を規定の常識的概念や既成の価値観の枠で当て嵌めて捉えて、そこから一度でも逸脱したり、社会的烙印を押されたとする人間を、ずっと赦す事無く後ろ指を差して言い続ける風習や習慣が、残念ながら社会全体に存在する。
だけど、その人の人間の本当の価値って、たった1度で決まるものでは決してなく、もっと非常に複雑で多面的なものだ。
それらを総合し、統合して人を見る様にする事が肝要だ。
僕に直接にこう教えて諭して下さったのは、正に15年前の当時に森川富昭先生の上司にも該当し、また当時徳島大学歯学部附属病院長でいらっしゃったN教授なのだ。
僕はN教授の事も、森川富昭先生の事も、今でも心からお慕い申し上げている。
だから、N教授の先述のお言葉を、僕は今でも胸に置いて生きているのだ。