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映画:永遠の0を、テレビ放送のノーカット版で観た。

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タイトルの0(ゼロ)とは、つまり零式艦上戦闘機、即ち略して零戦:「ぜろせん」、とか「れいせん」と呼ばれる、旧日本軍の主力戦闘機の事。

当時の日本の軍用機は、採用年次の皇紀下2桁を名称に冠する規定になっていた。

零戦の「零式」との名称は、制式採用された1940年(昭和15年)は皇紀2600年に当たり、その下二桁が00である為である。

そして我々の世代は聞き慣れないが、この「皇紀:こうき」とは、日本の初代天皇陛下である神武天皇が即位したと言われる年(BC660年)を元年とする日本独自の紀元の事だ。


つまり今年のAD2015は、皇紀2675年となる。


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写真は、実際の航空母艦(略して空母)の赤城。

劇中でも描かれていた、雌雄を決するミッドウェー海戦の大日本帝國海軍:第一航空艦隊司令長官の南雲忠一中将閣下が座乗する、旗艦だ。


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僕がこの映画を観始めて、いきなり度肝を抜かれて大興奮して、テレビの前で独りで大歓声を挙げたのは、このかつて日本軍が誇った巨大空母の赤城が、本当に見事に繊細なCGで、全く一切何の違和感無く描出されていた事に対してだ。

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近年の映画で、これ程までに、かの名空母の赤城が描かれて、しかも岡田准一さんが主演する宮部久蔵達、多数の乗組員が、何等の違和感も全く無く溶け込んで描かれていたのには、本当に舌を巻き、興奮し、また驚嘆した。

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この写真は空母:赤城が、敵のアメリカ軍空母:エンタープライズから飛来した急降下爆撃機:SBDドーントレスの急襲を受けて、回避運動して逃げ回りのたうち回る実際の写真。


劇中、これらが全て史実に忠実に再現されていたのにも、僕はとても感心した。

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これは精巧な赤城の模型。


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劇中では、これがほぼそのままに再現されて画面いっぱいに広がり、そこに宮部久蔵初め登場人物達が生き生きと演技している様が自然と溶け込み、いっやぁ、もう抑え難い大興奮を覚えてしまったったらありゃあしない。

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劇中、最初の方で、この赤城の艦尾にて、岡田准一さん演じる宮部久蔵が、仲間と談笑しながら作業に従事していた。

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劇中でも、赤城に造られた3基の甲板エレベーターが稼働して、カッチョ良く艦載機が主翼を折り畳んで甲板下の格納庫に収容されて行く様も、きちんと再現されており、僕は興奮する事しきりであった。


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これが、赤城にトドメを刺した、アメリカ海軍の急降下爆撃機のSBDドーントレスの実際の写真。

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僕がこの映画を鑑賞していて、驚いた事は、赤城が本当に、とても繊細に忠実に再現されていた上に、全て史実に忠実に筋書きも再現されていた事だ。


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南雲長官に拠る兵装転換の指示が2転3転してしまい、最初に爆弾装備を指示→魚雷に装備変更を指示→再び爆弾装備に戻せとの指示。

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これに乗組員達が困惑する。

その間に、敵急降下爆撃機は何とあろう事か赤城直上、つまり真上から急襲されてしまうのだ。

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そして、最初に1発目に被弾した爆弾が、何とこの写真の模型に有る中部エレベーター付近に命中し、そのまま甲板を貫通。

その真下に存在していた格納庫にて爆弾が炸裂。

ここに、先程の2転3転した南雲長官の指示に拠り、整頓して片付けられる事無く乱雑にゴロゴロと放置されていた爆弾に、次々と引火し誘爆を引き起こしてしまう。



ここで、僕から指摘しておきたい、或る一つの重大な要素が有る。

赤城はミッドウェー作戦に参加する、その前の戦の珊瑚海海戦の戦訓から、上空の味方機が敵味方の識別をし易い様にと甲板にドでかい日の丸を描き加えた。これが、アメリカ軍の攻撃の際の格好の目標になってしまったのだ。
この細部の点まで、映画:永遠の0はきちんと描出していた。


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結果、この最初に喰らった1発目の爆弾にて、赤城は内部から大爆発し大炎上してしまい、そのまま再起不能に陥る致命傷を負ってしまう事となる。


その痛ましい大いなる不運が招いた赤城の最期は、劇中ダイナミックに迫力満点に描かれていた。


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2発目は、この艦尾に被弾。


お手元に、今回のテレビ放映を録画したデータが有る方や、BDやDVDをお持ちの方は、是非とも、この細かい点が史実に忠実に再現されている様を今一度御確認頂きたい。


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劇中でも大日本帝国軍の威容を誇る、この旭日旗も当然掲げられていて、実際はこれに加えて、司令長官の南雲長官独自の旗である南雲旗も掲げられていたと言う。


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この方が、実際の史実では主人公:宮部達の最高司令官に相当する、南雲忠一(なぐも ちゅういち)海軍中将閣下。

旗艦の赤城に座乗し、当時世界最強の無敵の強さを誇った南雲機動部隊を率いた猛将だ。

豪放磊落で人に慕われる方の様だったが、一方で部下の教育には厳しい方だったらしい。


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そしてこのお方。今更言うまでも無いだろう。

不世出の連合艦隊司令長官、山本五十六長官(海軍大将)閣下。


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当然ながら南雲中将の上官に相当し、従って、今から振り返って見れば、大日本帝国が戦った太平洋戦争は、この人の戦争と言い換えてしまってほぼ差支えは無かろう。



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だが、この映画:永遠の0は、こうした超有名どころの最高司令官の面々は一切登場しない。

あくまで下士官、つまり平たく言えば軍の最末端の兵隊さん達の視点や視座から捉えた太平洋戦争とも言えよう。


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僕から観て、岡田准一さん演じる主人公の宮部久蔵は、最初から常に何処か影が付き纏う、一種の暗さを醸し出していた、独特の雰囲気を持った零戦搭乗員だった。


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愛する家族を常に想い、彼等の為に無駄に死ぬ事を極度に恐れて、禁忌し嫌悪する零戦搭乗員で教官の宮部久蔵。


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宮部久蔵は、教え子や部下を死なせる事も極端に嫌った。


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劇中、周囲には余り理解はされずに、ほぼ孤独で、常に暗さや影が付き纏う宮部久蔵。


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だが、日増しに敗色が濃厚になって行く日本軍として、部下や教え子が特攻に突っ込み、敵艦まで辿り着く事無く、次々と無駄に死に絶えて行く様に直に接し、彼は最後に自身の大転換の決断をする。


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最後の最期に、敵のアメリカ軍空母に対して果敢に特攻を仕掛ける時の宮部久蔵の表情と眼が、僕にはとても印象的だった。


何か、それまでのあらゆる総ての哀しみや重圧の一切全部を背負い込んで、己の為すべき最後の選択肢を静かに覚悟を決めて選び取り、最後の気力と精力で遣り遂げようとする、鋼の様に強く逞しくも哀しく憐れな男の眼だった。


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この主演の岡田准一さんが、主人公:宮部久蔵をここまで好演・熱演出来たのは、勿論俳優の岡田准一さんの類稀なる端正な容姿と素晴らしい演技力に加えて、それに、こう言っては岡田さんに対して大変に失礼かも知れないが、元々何処か何処と無く暗さや影がやや少し付き纏う感じがする岡田准一さんならではの、適役だったからかも知れない。


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これは、天下の田宮模型(本社:静岡県静岡市)から、映画:永遠の0との提携タイアップ商品として発売された、劇中に登場する零式艦上戦闘機の、「映画:永遠の0」特別バージョンだ。

これまた芸の細かい事に、劇中登場の宮部機、または大石機、もしくは景浦機の3種類からデカールを選んでそれぞれの劇中の機体を再現出来るプラモデルだ。


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ここで僕から、映画:永遠の0を既に鑑賞した、本ブログ記事の読者の皆様に問いたい。



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主人公の宮部久蔵は、当初はあれだけ死ぬ事や特攻を拒否し、禁忌し、また常日頃から嫌悪していたにも関わらず、何故最後は静かに特別攻撃隊への参加を、自ら志願したのだろうか・・・??



そして、最後の最期、映画のラストシーン・・・。


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我が親友のO君は、曽祖父様が大日本帝国陸軍の高級将校として戦地に赴き、そして戦死されて、現在靖国神社に祀られていらっしゃる。


僕の父方の祖母の弟は、福井県の連隊に徴兵されて、そのままフィリピンへ艦船で移動中に、アメリカ軍の潜水艦の攻撃を受けて沈没。戦死した。



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この映画:永遠の0は、文部科学省選定の映画だ。

その意味が、観終わってから丁度1日間経った今、何となくちょっとは分かる気がする。
だがあくまで、気がするだけだ。


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そうした僕みたいな鈍感な人間は、これは常日頃からの僕自身の希望でもあるのだが、率先して戦地に赴き、それこそ特攻攻撃でも仕掛けて敵を地獄に道連れにするのがお似合いだろう。



自ら進んで喜んで戦争に行きたがり、戦争をしたがり、敵を人を殺したがる人間と言うのは、恐らく僕の様な頭のネジが何本か抜けていて、真人間としての神経や感覚が一部完全に欠落して、麻痺してしまっている人間のみに限定されるだろう。


自分で言うのも本当になんだが、僕みたいな本当に狂ってしまっているおかしい人間が、美しい花や人の感情や人情の機微を平気で踏み躙り、蹂躙し、そして戦争をやりたがり、戦争に行きたがるのだろう。


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だが、戦争の後に遺るものって、一体何なんだろうか・・・????

映画:永遠の0に描かれていた通り、愛する家族の絶対に取り返しの付かない離散だとか、激しい憎しみだとか、終わる事の無い一生死ぬまで続く深い深い哀しみと恨みなのだろうか・・・????



「やっぱり戦争って、絶対にやっちゃいけないものなんだよね。」


一緒にテレビでこの映画を観ていた妻は、そう感想を口にして、そのまま就寝した。


今、このブログ記事を書いている後ろで、いつもの様に寝息を立てて寝入る妻とも、いざ日本国が再び戦禍に巻き込まれれば、引き裂かれて離れ離れになるのだろうか。



だとしたら、戦争って本当に馬鹿げてどうしようも無く頭のクソ悪い、最低最悪に愚劣な、人類最凶の罪業行為と言えるだろう。




あ、言い忘れた。

好きな花火?
そりゃあ、あんた、隅田川の花火大会みたいなド派手にどデカイ打ち上げ花火も最高に良いし、線香花火のそこはかとなく哀しい可憐な花火も良いものでしょう。

あ、今年も、甥っ子達と一緒に、花火を楽しむかな。

出来れば打ち上げ花火を、ここいらで夜中に出現する猪目掛けて発射ブチ当てて猪をブチ殺して、そのまま猪の肉を喰らいたいものですね。