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本日、11:03。
独立行政法人:理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター(CDB、神戸市中央区)の笹井芳樹副センター長(52)は、家族や関係者に宛てて複数の遺書を残し、自殺して死亡が確認された。


享年52歳。



あの衝撃のNHKの特集番組「STAP細胞 不正の深層」の放送から程なくしての自殺であった。
番組では、約15分間にも渡り、笹井芳樹教授を厳しく糾弾し、断罪した。



その報道の影響も大いに有ったろう。



自殺前には当然、心療内科に通院して心の病の治療に励んでいた。


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彼は若干36歳にて母校の京都大学医学部の教授に上り詰めた。

丸で挫折を知らぬ、超の付くエリート街道を邁進していた、陽の当たる道をこれまで歩んで来た彼にとって、ここまでの猛烈な袋叩きやバッシングは、最早彼の許容や忍耐の限度を大きく超えてしまっていたのだろう。


「科学は、宗教と違う」
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彼は記者会見でそう言った。


だが今は、彷徨う彼の魂は、その宗教に拠る魂の救済を最も希求していると言う実に皮肉な展開だ。


科学は宗教と違うと彼は言いながら、彼はその宗教が大凡大罪に定める行為を最期に犯してしまった。
実に皮肉と言う他無かろう。


生命科学における真実と真理の探究に、世界的トップランナーとして日々邁進する中で、最期に自らの生命活動を自らの手に拠って停止させてしまった幕切れは、余りに皮肉で且つ寂しい。


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それにしても、彼が居たなら居たで、猛烈なバッシングを加えていたマスコミや我々一般市民は、いざ彼が非業の死を遂げたら、今度は一転掌を返して彼を哀悼する様は、実に気色悪い。
勿論、この僕もその愚劣な一般市民の一員だ。

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彼は、本当に苦しかったのだろう。

逃げたくて逃げたくて、仕方なかったのだろう。

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「必ず、STAP細胞を再現して下さい。」
小保方晴子氏に宛てた遺書にて、そう言い残した笹井芳樹副センター長。


こうして、STAP細胞の全責任は、小保方晴子たった独りに重く伸し掛る事となってしまった。

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彼は恐らく神に対する信仰心などは持ち合わせては居なく、彼が信じるのは客観的に証明された科学事象のみだったのだろう。
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だから、自殺が罪だと言う宗教的意識も、彼は最初から持ち合わせては居なかったのかも知れない。


神戸市立中央市民病院にて、研修医として医師のキャリアをスタートさせた笹井芳樹氏は、実に皮肉で残念な事に、正に同じ神戸市立中央市民病院にて、最期に自殺後の死亡が確認された。
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そんな笹井芳樹さんに対して、この僕がして差し上げられる事は、心から彼の哀悼を祈る事のみだ。


緑のスカプラリオ(写真)の祈りは、聖母マリア様のお取次に拠り、彼の彷徨える苦悩の魂を煉獄から救済するであろうか?



聖マリアの穢れ無き御心よ、今も臨終の時も、我等の為に祈り給え。アーメン。



笹井芳樹氏の魂が、一切の苦痛と苦悩から解放されて、永遠の救済に与り、安息と安寧、そして憩いに入らん事を祈って止まない。