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最近俺の職場で、複数の女性職員が離婚問題を抱えていらっしゃる様で、普段それほど親しくもない筈の俺相手にも愚痴やら悩みやらをポロリとこぼす様になって来ている。
ちょっと話を伺って見れば、どうやら彼女等は「長男の嫁」に該当している模様だ。

って事で、俺なりにこのテーマに付いて最近のマイブームとして、悪い頭で趣味で考察して見たので、その続編記事を今回はお届けする事にした。



日本人なら皆さん御存知の「AD645 大化の改新」。
この日本の歴史上の大きな事件も、「長子の家督相続」と言う概念に基づいていると言える側面も有ろう。




何故、「長男の嫁」は苦労し苦心するのか?
この永遠のテーマを、再び考察して見たい。

そもそも長男は、その家の初の男子と言う事で、家族の全員に重宝がられて小さい頃から大事に大切に育てられて来たと言う傾向が先ず濃厚に有りがちだと思うのだ。

長男である周囲の親友や友人知人達を見てもそうだ。

その長男は基本的にその家を継ぐ存在である為、生まれて来てからそのままその家に留まり、そのまま外から嫁を貰い所帯を持つに至る。
つまり、ヌクヌク自分の家にそのまま留まり、居心地の良い微温湯に浸かりながらだと言えなくもない。
だから結婚後も、自身がそれまでに自分が生まれ育った家で培って来た価値観なり人生観は、そのまま絶対信条の全く正しき金科玉条として無意識の内にも頭から信じ込み、彼の心と頭の中で永久保存され、それが普遍的に通用する人生通念や社会常識であると思い込みがちになる。

そこに、外からヒョッコリ嫁が来る。

それまで全然違う家庭環境や人生環境で生まれ育って来た2人が、ある日から一緒になる。
そりゃ幾ら愛し合っていると言ったって、一緒に生活してりゃその内どうしても齟齬は来たしてくるし、摩擦や擦れ違いは大なり小なり生じて来て、結果、喧嘩したり、それらが蓄積され重責され、ある日その積分値が臨界点に達した時、最悪は離婚に至るのだろう。

その前に、長男の両親、つまり長男の嫁にとっての義父母と言うものは基本的に長男である息子の味方をすると言い切って良い。
つまり夫婦間に何か事が有る度に、悪くされて責任を問われるのは常に嫁の方だ。

しかも、ここで決定的とも思われる要素が存在する。
肝心の長男、つまり長男の嫁にとっての夫は、基本的にやはり妻や嫁よりも、自身の両親や家の意向を優先する傾向に在る。
本来最も妻に向き合い、最も嫁を大事に大切にし、最も妻を愛でて慈しむべき存在である筈の夫が、実は前提の段階から、最初から妻に向き合う事をしなさがちな側面も存在していると言えそうだ。
妻や嫁に向き合う事を放棄した長男(夫)は、では何処に向き合っているのか?
それは「自分の家」、つまり自身の実家であろう。延いては自身の両親。
これだけなら未だ良い方かも知れない。
妻や嫁を愛し続ける事を放棄して、他所に別の女性を作り、妻や嫁以外の女性を愛してしまう様になる場合も存在する。
その場合であっても、大抵の場合に基本的に悪くなるのは常に嫁であり妻であろう。



こう考えて行くと、長男の嫁と言う専門職種は、如何に途轍もなく孤独で、あらゆる矛盾と理不尽に対して屈辱的に忍従する事を強制されて、特段の気苦労を抱えて行く事を運命付けられた過酷な専門職種であるのかが浮き彫りになって来る。


既述の様に、俺のオフクロも「長男の嫁」だ。
今はオフクロにとっての義父母、つまり俺の父方のお祖父ちゃんやお祖母ちゃんは、両者他界もしくは浄土真宗の阿弥陀仏様極楽浄土お迎え間近な状況と言う事で、オフクロにとってはかつてと比べて精神的には安定した時期に入っていると言えるのかも知れないが、今でもオフクロが長男の嫁として過去に苦労した話を俺が茶化したり一笑に付したりしようとすると、
「アンタなんかにお母さんの気持ちなんて分からないわよっ!!そう言う気持ちを独りで抱えて頑張って来てアンタを育て上げたって言うのにさ!そんな事をアンタに言われたくないわよ!!!」
っと突然語気を強めて、声を荒げて反論する。

そう言えば、今思い出した。
俺のオフクロは小さい子供の俺の前で目を真っ赤に腫らして涙でグジュグジュになりながら、「死にたい・・・」とこぼしていた事も5回や10回ではなかった。
年齢片手の当時の俺にとって、オフクロが何でそうなっているのか、何でそんな恐ろしい事を口走っているのかは全く理解出来なかったし、分からなかった。
ひょっとして、亭主になったこの現在でも、当時のオフクロの気持ちを本当には理解出来ていないと自分で思うのだ。




日本全国の長男のお嫁さんの皆様方。
宜しければ、俺のオフクロを見てやって下さい。

貴女の義父母も、いつまでも生きている訳では決して絶対にありません。
人間はいつかは必ず他界します。
ですが、順当な順番から行けば、先に他界するのは貴女の義父母なのです。

子供もいつまでも子供のままでは決してありません。
それほど気合を入れて子育てしなくても、親として最低限の事さえやっておけば、子供は放って置いても成長して行きます。
やがて大きくなり、ひとりでに親の手を離れて勝手に独り立ちして行くのです。

その際に、子育ての段階で子供に対して親として無類の愛情を注ぎ続けていれば、それはやがては子供が大きくなって、それまで自分を育ててくれた親に対する大きな愛情として、更に大きくなってちゃんと帰って来ます。


ですから、日本全国の長男のお嫁さんの皆様方。
決して諦めないで下さい。
決して、投げ出さないで下さい。


必ず幸せになれるから。