
タワーレコード・オンラインの素晴らしい便利さに味をしめて、僕は自身の若い頃の、今から20年間以上も前から気になって居た名盤を、また購入し始めた。
それが、これ。
クラウディオ・モンテヴェルディ作曲:聖母マリアの夕べの祈り
ハンス・マルティン・シュナイト盤

このシュナイト盤の同曲は、かの有名な音楽評論家である宇野巧芳(うの こうほう)氏が、自身の著作の中で大絶賛して居た。
しかし宇野氏も著書の中で仰って居られた様に、このシュナイト盤はかつては輸入盤でしか入手出来ず、従って日本国内では殆ど入手不可能の代物だった。
所がタワーレコード新宿店:城義忠さんの尊い御尽力も大いに有り、タワーレコードさんが限定版として独自発売して下さったのだ。
城義忠さん、Good job!!!

しかも前回にboxセット購入した際のポイント(10倍キャンペーン中だった)を使用して、たったの850円程で入手出来た(セブンイレブンにて受け取りで送料・手数料は無料)。
今、この購入したシュナイト盤のCDを聴きながらこのブログ記事を書いて居るが、噂に違わず実に素晴らしい名演奏だ。
女声ソプラノをボーイソプラノに置き換えて起用し、合唱・声楽は全て男声に拠るのだが、それがこんなにも透明で古雅な、まるで木彫りの聖母マリア像を思わせる純朴な演奏と来たら、どうだ。

「聖母マリアの夕べの祈り」は、僕はやはりかの名盤、サー・ジョン・エリオット・ガーディナー盤(1991年度レコード・アカデミー大賞受賞)のみを所有して居り、そればかり聴いて居たが、シュナイト盤はガーディナー盤の様な眩いエネルギーが強烈に外向性に発散する豪華絢爛さ、煌びやかさは全く無いものの、最初から最後まで一貫して静謐な祈りに満ち満ちた、極めて精神性の高い演奏だ。

音楽に癒しと安らぎを求める、心疲れた皆さん。日常普段の生活にて精神と魂を擦り減らして居る、疲弊してしまいへたり込んで座り込んで一時的に人生の歩みを止めてしまった皆さん。途轍もなく辛く哀しい出来事に打ちひしがれてしまい、落ち込んで座り込んで俯(うつむ)いて下を向いたままになってしまって居る皆さんが、是非このCDを鑑賞する事を、僕は強くお勧めする次第である。