【CD19-21】《ハイドン:ミサ曲集》ハイドン:
1) ミサ曲第10番変ロ長調 Hob.XXII-10「オフィダの聖ベルナルドの讃美のミサ」,
2) ネプチューンの祈りHob.XXIVa: 9(断章),
3) モテット「Insanae et vanae curae」 Hob.XXI:1 No.13c,
4) 敬うべき秘跡のモテット Hob.XXIIIc:5 a-d,
5) テ・デウム ハ長調Hob.XXIIIc-2,
6) ミサ曲第12番変ロ長調 Hob.XXII-12「テレジア・ミサ」,
7) ミサ曲第11番ニ短調 Hob.XXII-11「ネルソン・ミサ」,
8) ミサ曲第9番ハ長調Hob.XXII-9「戦時のミサ(太鼓ミサ)」,
9) サルヴェ・レジナ ト短調 Hob.XXIIIb-2,
10) モテット「天より来たりし祝福された恋人たちよ」 HobXXIIIa:G9
アン・モノイオス(ソプラノ), イェルク・ヘリング(テノール), ハリー・ファン・デル・カンプ(バス), 他, テルツ少年合唱団, ターフェルムジーク・バロック・オーケストラ, ブルーノ・ヴァイル(指揮)[録音]1994-1998年
僕はそもそもヨーゼフ・ハイドンの作品は、予てから余りと言うか全く注目しておらず、従って一部の有名交響曲しか知らなんだ。
だがこうして見ると、彼の宗教声楽曲の作品は、あのオラトリオ:天地創造や四季を除いても、ミサ曲等だけでCDにして3枚にも及ぶ。
ざっと検索してみても、ハイドンのミサ曲を収録したCDは、既にこんなにも発売されていた。
そして僕は今回生まれて初めて、ハイドンのミサ曲の数々を聴き通した訳だが、やはり僕の耳は神童W.A.Mozartの大ミサ曲ハ短調や戴冠式ミサ曲、また何と言っても音楽の父J.S.Bachのロ短調ミサ曲や楽聖L.V.Beethovenの(ハイドンはベートーベンを、田舎者だと見下し馬鹿にした)荘厳ミサ曲(ミサ・ソレムニス)に慣れ切ってしまっているせいか、それ等の同ジャンルの作品群には、楽曲の完成度は全く及ばない事は明白だった。
だが演奏者は誰もが一流で、ハイドンと言う作曲家の僕の知らない側面を教えてくれたと言う点で、今回は大変に良い3枚組のCDを聴けたと思う。
決して悪い作品ではないが、やはり同じ古典主義時代の作曲家である神童モーツァルトには、才能の程は全く以て及ばない。
それにしても西洋音楽の偉大な巨匠達は、宗教声楽曲の作曲や再現つまりは演奏を、自身のキャリアの最上の位置に置く事は、CDを聴いているだけでも如実に実感する。
だがやはり僕は、偉大なる音楽の父:Johan Sebastian Bachが最晩年の最後に作編曲したロ短調ミサ曲が、クラシック音楽のみならず、あらゆる総ての音楽作品の最高傑作であると言う見解は、今回のヨーゼフ・ハイドンのミサ曲集を聴き通した後も、全く揺らぐ事は無かった。