安倍政権がまとめた防衛大綱に拠り、ヘリコプター搭載護衛艦(DDH)であった「いずも型護衛艦」が、何と多用途運用護衛艦として新しく生まれ変わる事が、既に正式に決定した!
(上記写真は1番艦:いずも)
もう既に予てから、いずも型護衛艦は運用法次第で、事実上の空母として運用出来るのではないかとは、いずもが就役して直後から巷間盛んに噂はされて居た。
そうした巷の噂話が比較的短期間の内に、まさかこうして本当に現実の話になるとは、僕もちょっと驚いた。
上記写真は1番艦:いずも(奥)と2番艦:かが(手前)が、仲良く停泊して居る。
この最新鋭の第5世代ステルスジェット戦闘機であるF-35BライトニングⅡを、更に42機新たにアメリカ・ロッキード社から購入する。
そのF-35Bを、空母化して改装した2隻のいずも型護衛艦に搭載し、新たに多用途運用護衛艦として運用すると言う訳だ。
本家本元のアメリカ軍においては、短距離離陸・垂直着陸が可能な(STOVL)F-35のBタイプは、主には海兵隊が配備し運用して居る(我が国の山口県・岩国基地には、既に配備済み)。
上記動画の様に、アメリカ軍はF-35Bは強襲揚陸艦にて運用し、日本国海上自衛隊のいずも型護衛艦は、誕生時よりその外観や機能がアメリカ級強襲揚陸艦に酷似して居り、従って我が国の多用途運用護衛艦も上記動画の様に運用する事に成る。
そこでとてもタイムリーにも、漫画「空母いぶき」が早速タミヤ模型さんに拠り商品化されて、しかも再来月の05月24日(金)には、西島秀俊さん主演の映画「空母いぶき」が公開されるのだ。
しかもまたまた驚いた。
安倍政権が「多用途運用護衛艦」の呼称を用いる前に、「多用途運用母艦」として居た時点で、そのネーミングで既にこうしてプラモデル化・商品化されて、「多用途運用母艦:いずも」は、今月末にハセガワさんから発売される。
2年も前に僕はハセガワ製の「1/700 かが」を購入したが、そのパッケージには既にF-35Bがオマケに附属して居たのだから、模型メーカーさんの気の早過ぎる事ったら、最早笑えて来る滑稽の域だ。
こうして模式的に見ても分かる通り、旧日本海軍、つまり大日本帝国海軍が誇った当時最大の航空母艦:加賀とサイズ・大きさを比較しても、護衛艦かがは全く遜色無い。
実際、安倍政権がいずも型の改修・空母化を正式発表した直後、お隣の中国軍は即座に鋭敏な反応を示して来た。
彼等は日本国自衛隊の実力・軍事力を、今非常に警戒して居る。
中国共産党のエリート達も、中国全土から集まった最優秀の人材で固められて居るので、やはり彼我の戦力差を、極めて冷静に客観的に分析して把握する事が出来るのだ。
所が僕から見てちょっと可笑しな事には、今回のいずも型改装を「事実上の空母化であり、多用途運用護衛艦とは、安倍総理お得意の嘘吐き誤魔化しだ!」とする論評が、池上彰先生を初めとしてネット上にかなり散見されるのだ。
池上彰先生は僕も大好きなジャーナリストだが、「多用途運用護衛艦」とは誤魔化しの呼称であるとする事は、明らかに的外れの間違いだ。
そもそも改修前の現行のヘリコプター搭載護衛艦としてのいずも型護衛艦の実力や機能を、先ず皆さんは御存知だろうか?
① 多数の哨戒ヘリコプター・救難ヘリコプターやオスプレイを搭載し、最大で5機が同時発着可能な、優れた航空能力を持つ。
つまりこれは基本の、ヘリコプター搭載護衛艦としての主たる最大の機能だ。
② 大量の病床を備え、しかも手術室や集中治療室、延いては歯科治療室までをも具備して居る。
つまり優れた病院船としての機能を持つ。
③ また大量の車両を運搬する貴重で優れた機能も有る。
つまり輸送艦としての機能も併せ持つ。
④ そして自艦のみならず他の艦船に対して物資補給や給油を或る程度行う事が出来る。
つまり補給艦としても機能も或る程度持つ。
勿論それぞれの機能は、各々の専門の艦種には量的には及ばない。
だが今回、以上の4つの大きな機能を既に兼ね備えて居る事に加えて、改装してF-35Bを搭載・運用出来る様に生まれ変わらせ、更には航空攻撃能力をも具備させようとの構想だ。
それは事実、本当に多用途で運用される護衛艦、そう、正に、正に多用途運用護衛艦と呼称する事が最も的を射て相応しい、日本国海上自衛隊が世界に誇る、極めて優秀な海上自衛隊艦船なのである。
やはり名は体を表すのだ。
航空攻撃能力を更に付与すると言うと、一般人の我々は真っ先に侵略的戦争のイメージを持つかも知れないが、それは誤解だ。
先ずは向こう30年間以内に襲来が色濃く予想される東南海トラフ連動型大地震、または首都圏直下型大地震において、多用途運用護衛艦として生まれ変わったいずも型護衛艦は、大いにその素晴らしい機能や能力を十全に発揮し、災害救助・救援活動にて大いに活躍してくれる事だろう。
僕も最初は予算や自衛隊員増加の都合上、いずも型護衛艦の空母化には反対で、それよりも日本国航空自衛隊が既に42機購入して、三沢基地等に配備され始めて居るF-35A(通常タイプ)を更に買い増して、航空自衛隊基地への配備を増強させる事を先ずは図るべきだとは思った。
そうすればトランプ大統領閣下も必ず喜んでくれる(笑)
だが先述の様に、お隣の中国軍が、我々が思って居るよりもずっと強く鋭敏に反応してくれて居ると言う事自体が、既に更なる強大な抑止力の獲得に成功し、狙い通りの国家安全保障上の効果が早くも発揮され始めて居るとも受け取られる。
プラモデル製品も映画にしても、実に現在の日本国の軍事・安全保障方針とタイムリーに、時期や歩調を合わせる場面が続いて居る。
それでは僕も、映画「空母いぶき」を観に行くぞ。